文脈グランプリ

作品写真

絵画やアート作品の展示でよく見かける、
タイトルや説明文の書かれた“アレ”……

ぱっと見どういう作品なのかわからなかったものでも
ステートメントを読んだらわかったり、
逆に読んだら思っていたより難しくなっちゃったり……

そこで今回、ニュ〜パライソ別世界篇では、
「バラックぱらいそ」の中にオブジェを設置して
そのオブジェを「作品」と仮定し、文脈を募集。

バラックを訪れた人々が作者になりきって
タイトルとステートメントを考えてくれました。

最終イベントの2日間、あつまった文脈を展示し
みんなの投票にてグランプリが決定!

みんなの考えた文脈をここに一挙公開します

金の王冠

グランプリ

柴原

遊びの消失

公園に入ると黄色のテープが遊具に巻かれていた。
危険という理由で大人が子どもの遊びをうばう。
しかし、大人は無邪気にセグウェイ、バイク、車、はては原発と自由気ままに遊んでいる。
子どもが自由を感じることのできる場所はどこへ行ってしまったのだろうか。

銀の王冠

しんご

2013-14

小学校の時に愛用していたスクーター
私はまだ、あの時から一歩も動けていない気がする

岩井わい

玄孫の手

2130年、人類は人工知能を捨て、自らの遺伝子を内側から進化させることに成功して30年になるが、身長は男性2m30cm 女性2m15cmが平均身長になり、皮ふの厚みは3cm、質感もかたくざらついた様子になってしまった。。そんな時に役に立つのがこれ、「ハイパー孫の手」だ。 ローラ部分で皮ふはやわらかくなり、ほど良いハリガネが刺激になり1日の疲れをほぐす事になるだろう。それは「孫」を超越した「玄孫」となるだろう。

島津

スピードスピン

猛スピードで回転しながら道路を爆走しているスクーターの様子をスクーターに針金を巻きつけることによって再現している。

いしかわ

自由

縛られて自由に動けない。
縛られているせいで、自由に動けない。
縛られている間だけ、いいわけができる。
縛られている間だけ、自由だ。

たなか なおき

少年時代の悩み

あのころ使っていたものとそれをとりまくあのころの悩みを表現したもの。たいした悩みではないものの、あのころの自分にとっては歩みを止めるほどの悩みだったのだろう。

さとう よし

どこにもいけない

通常、壊れたものは捨てられる運命にありますが、針金でつなぎとめることで、かろうじて形を保とうとしています。その無意味な抵抗のようなものに興味を持ちました。もちろん、これが再び使えるわけでもなく、実用性があるとも思いません。ただ、こうして固定されることで、どこにも行けないまま存在し続ける。その状態に惹かれました。

ティム子

延命処置

この作品は、機能を喪失した物体が形態のみを維持する状態を示す。針金による固定は、修復ではなく、崩壊の先延ばしに過ぎない。移動という本来の目的を失ったキックボードは、もはや物理的存在としての意味だけを残し、時間の中に留め置かれる。これは、使用価値を超えた存在の継続に関する試論である。

坂本よし子

まだ、ここにいる

壊れたキックボードに、針金を巻きつけた。直したかったわけじゃない。ただ、手放すのが惜しくて、つなぎとめてしまった。もう走ることはできないけれど、こうして形を保っているだけで、なんだか安心する。使えなくなったものにも、まだここにいてほしいと思う気持ち。それは、人との関係にも似ているのかもしれない。

くっしー

キックボード

キックボードは都市の風景、人々の動き、そして光と影の相互作用を記録するセンサーの役割を果たします。
乗り手の重心移動、速度、そして振動は、都市のエネルギーを捉え、それを独自のアルゴリズムによって解釈し、キャンバス上に変換します。

キックボードには、加速度センサー、ジャイロスコープ、GPSなどのセンサーが搭載されており、乗り手の動きと周囲の環境をリアルタイムで記録します。
収集されたデータは、独自のアルゴリズムによって解析され、線の太さ、色、そして動きのパターンに変換されます。
キックボードに取り付けられた描画装置が、アルゴリズムによって生成されたデータに基づいて、キャンバス上にインクを塗布します。
作品は、乗り手が通った道のり、速度の変化、そして周囲の環境に応じて、絶えず変化し続けます。それは、都市の風景を記録するだけでなく、乗り手の感情や記憶をも捉え、視覚的な物語として表現します。
この作品は、都市と人間の関係性を問い直し、テクノロジーとアートの融合によって新たな表現の可能性を探求する試みです。

Chidori Baika

Unrandom Definition

本作品は、本来意識下であるものを無作為なものとして擬態させる行為について考察し、制作した。
一見偶然的に見える針金の様相は、ひとつひとつの角度に対し確実な意思を持って決定した結果である。
壊れたキックボードの実態は壊されたキックボードであり、欠損は意志の元に決定した結果である。
この決定における意思とは、無作為の擬態という目的であり、なぜ無作為を考察しそう見せるのかという部分において、これは無意識から発生した作為なのだと理解した。

定 祐馬

きみのかたち、わたしの手

もう走れないキックボードに、針金を巻いた。何かを直したかったんじゃない。ただ、消えてしまうのが怖かった。形がなくなったら、本当に終わってしまう気がしたから。触れた手の跡も、風にさらされた傷も、ほどけかけた記憶も、ぜんぶここに絡めとめておきたかった。どこにも行けなくてもいい。ここにいるって、ちゃんと言えるように。

Yangiah やんじゃ

SU

すべて
喰った
すくって
喰った
くもの巣に
おいしい
獲物

Ryuichiro

カルカラレッタ

芝を刈っていた。
楽しい。モーレツに刈っていた。
走りながら刈った。走った。走った。
つんのめってすっころんだ。
何かにからめ取られていた。。。

長尾省吾

はりがねまるのぼうけん

はりがねまるが セグウェイにのっているよ
どこにいくのかな